アートメイクと紫外線|日焼けが色に与える影響と季節ごとの対策

アートメイクの色が薄くなる原因のひとつが紫外線です。日焼け対策は、そのまま色持ちの良さにつながります。ただし、施術直後とかさぶたが取れたあとでは、できる対策が変わります。この記事では、時期ごとの日焼け対策と日焼け止めの使い方、季節やシーン別の注意点、日焼けしてしまったときの対処をご案内します。
なぜ紫外線で色が薄くなるのか
紫外線には色素を分解する働きがあるとされています。アートメイクの色素は皮膚のごく浅い層に入っているため、その影響を受けやすいと考えられています。日焼けしやすい生活をしていると、色の抜けが早く感じられることがあります。
紫外線には主にUVAとUVBがあります。UVBは肌が赤くなる日焼けの主な原因とされ、UVAは肌の奥まで届きやすく、雲や窓ガラスも通りやすいといわれています。どちらも一度で大きく影響するというより、毎日浴びる量が少しずつ積み重なっていくものです。
屋外で過ごす時間が長いお仕事や趣味がある方は、色の抜けが早く感じられることがあります。リタッチの時期は1〜2年ごとが目安ですが、こうした生活の違いによっても変わります。
色の見え方が変わることも
紫外線の影響は、色が薄くなることだけではありません。色味が少し変わったように感じられることもあるといわれています。また、日焼けで周りの肌の色が変わると、アートメイクの色との差が変わり、以前と印象が違って見えることがあります。
強く日焼けして赤くなった肌は、あとから皮がむけることがあります。施術部位がそうなると、気になって触ったり、むいたりしやすくなります。色をきれいに保つためにも、日焼けそのものを防ぐことが大切です。
色の持ちには、紫外線のほかにも肌の生まれ変わりや皮脂、摩擦などが関わります。持ちの全体像はアートメイクはどのくらい持つ?で詳しくご紹介しています。
かさぶたが取れるまでは「日焼けそのもの」を避ける
施術直後は、施術部位に日焼け止めを塗ることができません。この時期は、帽子や日傘などで日差しをさえぎる方法で守ります。施術部位は刺激に敏感な状態なので、「塗る」のではなく「さえぎる・避ける」と考えてください。
- 帽子・日傘で直射日光を避ける
- アイラインの場合はサングラスも有効
- 長時間の外出はできるだけ控える
- 日差しの強い昼前後の外出を減らし、日陰を選んで歩く
- 車の運転では、サンバイザーで顔に当たる日差しを減らす
帽子は、つばが施術部位に触れないものを選んでください。眉の場合、深くかぶると縁が当たりやすくなります。サングラスも、フレームがまぶたや眉に当たらないものが安心です。マスクや布で施術部位を覆うのは、擦れの原因になるため避けましょう。
施術部位以外の日焼け止めは?
施術部位以外の顔には、普段どおり日焼け止めを使って構いません。ただし、のばすときに指が施術部位に触れたり、汗で施術部位に流れたりしないよう、施術部位の周りは少し間をあけて塗ると安心です。
外出が避けられない日は
通勤や送り迎えなどで外出が避けられない日は、日傘や帽子を用意し、日なたにいる時間をできるだけ短くしましょう。屋外で待つときは日陰を選ぶ、日陰の多い道を歩くなど、小さな工夫の積み重ねが施術部位を守ります。
かさぶたが取れたあとの日焼け止め
かさぶたが自然に取れたら、施術部位にも日焼け止めを使えるようになります。塗り方にひと工夫すると、色を守ることにつながります。
- こすらず、押さえるようにやさしく塗る
- 汗をかいたらこまめに塗り直す
- 曇りの日や冬でも紫外線は届くため、一年を通して使う
- 洗い落とすときも、ごしごしこすらない
- 少なすぎないよう、製品に表示された量を目安に使う
- 塗り直す前に、汗や皮脂をティッシュで押さえておく
日焼け止めの選び方
SPFは主にUVBを、PAは主にUVAを防ぐ効果の目安とされています。近所への買い物など日常の外出と、屋外で長く過ごす日とで使い分けると、無理なく続けやすくなります。
肌が敏感な方は、使い慣れたものや低刺激をうたったものを選ぶと安心です。新しく使うものは、施術部位以外で試してから使いましょう。
塗り直しとメイクの上からの使い方
汗をかいたとき、タオルで顔を拭いたあと、水に触れたあとは、日焼け止めが落ちていることがあります。そのたびに汗や水分を押さえてから、塗り直してください。
メイクの上から塗り直すときは、パウダータイプなど重ねやすいものを使う方法もあります。スプレータイプは、目や口に入らないよう顔に直接吹きつけず、手に取ってから押さえるようにのせると安心です。
落とすときのポイント
日焼け止めには、洗顔料で落とせるものと、クレンジングが必要なものがあります。施術部位はこすらず、クレンジング剤をやさしくなじませてから、ぬるま湯で流してください。落とし方は、製品の表示で確認しておきましょう。
眉・リップ・アイラインの塗り方のコツ
施術部位に日焼け止めを使うときは、指でのばすより、押さえるようにのせるのが基本です。のばす動きは、毛の流れや生え際に沿ってこすることになりやすいためです。
| 部位 | 紫外線対策のポイント |
|---|---|
| 眉 | おでこと同じく日が当たりやすい部位です。日焼け止めは毛の流れに沿って押さえるようにのせ、汗をかいたら押さえてから塗り直します |
| リップ | 唇も日差しを受けます。かさぶたが取れたら、UVカットの表示があるリップクリームを使う方法もあります。飲食のあとは塗り直しを |
| アイライン | 目のきわは日焼け止めが目に入りやすい場所です。生え際のきわまで無理に塗らず、サングラスや帽子で補います |
部位ごとの日常の注意点は部位別アフターケアにまとめています。
季節ごとの紫外線対策
紫外線は夏だけのものではありません。季節によって油断しやすい場面が違うので、一年を通して対策を続けることが大切です。
春は、日差しがやわらかく感じられても、紫外線が増えはじめる時期とされています。夏になってから対策を始めるのではなく、春のうちから日焼け止めを習慣にしておくと安心です。花粉の時期と重なる方は、目元をこすらないようにも気をつけてください。
夏は紫外線が強く、汗もかきやすい季節です。汗で日焼け止めが落ちやすいので、帽子や日傘と、こまめな塗り直しを組み合わせてください。この時期に施術を受けた方は、かさぶたが取れるまでの日差し対策をとくに意識しましょう。
秋は、行楽や運動会など、屋外で過ごす機会が増えます。涼しくなると対策を忘れがちですが、日焼け止めは続けて使いましょう。長く外にいる日は、帽子と塗り直しを組み合わせてください。
冬は紫外線が弱まりますが、なくなるわけではありません。空気が乾燥して肌も乾きやすいので、日焼け止めとあわせて保湿も意識してください。
シーン別の注意
| シーン | 気をつけること |
|---|---|
| 日常の外出 | 日焼け止めを習慣に。洗濯物干しや送り迎えなど、短時間でも積み重なります |
| 車の運転・窓際 | 窓ガラスを通る紫外線もあるとされます。運転が多い方は、車内でも対策を |
| 屋外でのお仕事・部活動の付き添い | 長時間になりやすい場面です。帽子を基本に、休憩のたびに塗り直しを |
| 海・プール | 強い日差しと水の刺激が重なります。施術直後は避け、以降も対策を厚めに |
| ゴルフ・屋外スポーツ | 長時間の直射日光。帽子と塗り直しをセットで |
| 旅行・アウトドア | 標高の高い場所や水辺は、紫外線が強くなるとされます。施術直後の予定は避け、日よけの道具を多めに |
| 冬・雪山 | 雪の照り返しで、浴びる紫外線が増えるとされます。油断しやすい季節です |
日傘や帽子は、施術直後から使える取り入れやすい方法です。日焼け止めが塗れない時期ほど、日差しを直接さえぎることを意識してください。
うっかり日焼けしてしまったら
まずは冷やして、しっかり保湿してください。施術部位をこすらないことが大切です。ヒリつきが強い、水ぶくれができたなど、程度が強い場合は自己判断せず医療機関にご相談ください。
冷やすときは、清潔なタオルで包んだ保冷剤などを、押しつけずにそっと当てます。かさぶたが残っている時期は、施術部位を濡らさないよう気をつけ、保湿も指示された方法で続けてください。皮がむけてきても、手でむかずに自然に剥がれるのを待ちましょう。
日焼けした肌は乾燥しやすい状態です。施術部位以外もいつもより丁寧に保湿し、その日の洗顔はこすらずやさしく行いましょう。
日焼けのあとに色が薄くなった、ムラに見えると感じても、すぐに判断せず、肌が落ち着くのを待ってからご相談ください。2回目やリタッチの予定が近いときは、日焼けしたことをあわせてお伝えください。肌の状態を見ながら、日程を一緒に考えます。経過の不安についてはよくある不安と対処法もご覧ください。
紫外線対策のよくある疑問
日焼け止めを塗っていれば、帽子はいらない?
日焼け止めは、塗りムラや汗、手で触れることで落ちてしまうことがあります。長く外にいる日は、帽子や日傘と組み合わせると安心です。
室内で過ごす日も日焼け止めは必要?
窓際で過ごす時間が長い日や、短時間でも外に出る予定がある日は、使っておくと安心です。ほとんど外に出ない日は、無理のない範囲で続けてください。
日焼け止めが肌に合わないときは?
赤みやかゆみ、しみる感じが出たときは使うのをやめ、帽子や日傘などで日差しをさえぎってください。施術部位の赤みやかゆみが続く場合は、自己判断せずご相談ください。
紫外線対策を続けるためのポイント
紫外線対策は、特別なことを一度するより、毎日の小さな習慣を続けることが色を守ることにつながります。無理なく続けられる工夫を取り入れてみてください。
- 出かける前の日焼け止めを、朝の身支度の流れに組み込む
- 帽子や日傘、サングラスを玄関や車に置いておく
- 汗をかいたら押さえてから塗り直す
- 季節に関係なく、一年を通して続ける
- 色の薄さや見え方が気になったら、リタッチの時期を相談する
施術直後の過ごし方は施術後1週間の過ごし方もあわせてご覧ください。
日焼け対策で迷ったら、お気軽にご相談ください。
ご注意ください
- アートメイクは医療行為です。施術は福岡県行橋市内の提携医療機関にて、看護師資格を持つ施術者が行います(自由診療・健康保険適用外)。
- 経過や仕上がりの感じ方には個人差があります。この記事の内容は一般的な目安です。
- 気になる症状があるときは自己判断せず、施術を受けた医療機関にご相談ください。
水本 こずえ(看護師/メイクアップアーティスト)
美容領域14年。福岡県行橋市でアートメイクサロン mili medical を主宰。プロフィールを見る


